【気まぐれ校長の独り言:Vol.1】

『特別賞はどの団に!!』

中間考査が終了し、団活動が再開となりました。6月9日(金)の体育祭に向けて今日からは六つの団が優勝をめざして青春を謳歌します。「テストはできたか」なんて野暮は言わず、生徒の皆さんの健闘と充実した団活動に声援を送りたいと思います。

さて、今年も西高校のWebに『気まぐれ校長の独り言』を掲載してもらおうと、様々な出来事を書き始めるのですが、途中で用事が入ったり校長室の電話が鳴ったりと落ち着いた時間が取れず、原稿を中断することが続いていました。「忙しいのではなく、実は継続力がないだけでは」という話もありますが、短いブログはさらに苦手な気まぐれ校長ですので、平成29年度のVol.1も昨年と同じこの時期にずれ込んでしまいました。テスト最終日の放課後に昼食をファミマ(コンビニ)に買いに出た流通経済科3年生の男子生徒から「校長先生!ホームページを更新してくださいね。楽しみにしています」と声をかけてもらい、生徒からの激励はちょっぴり恥ずかしいけれど、とても嬉しかったその時の気持ちを大切にして独り言をつぶやくことにしました。

話は、中間考査1週間前の5月16日の放課後にさかのぼります。昨年の独り言Vol.1の『最後に、ちょっと自慢の話』でも書かせていただきましたが、西高校の体育祭の表彰には≪小西正晃・特別賞≫というものがあります。これは、生徒たちが体育祭の団パフォーマンスで身につける衣装を、事前に気まぐれ校長が採点し、校長のファッションセンスの有無はさておき、一番気に入った衣装を当日に発表するというものです。西高校に赴任した1年目から企画され今年で3回目を迎えますが、生徒会担当のY先生から「今年は衣装を見てもらうだけではなく生徒がプレゼンをしたいといっているのですが」との提案が舞い込みました。普段から生徒と接する機会を虎視眈々と狙っている気まぐれ校長としては、まさに好機到来です。「校長室のテーブルは後ろに寄せたほうがいいのかな。プレゼン会場として校長室はせまいからどこか別の部屋をキープしようか」などと思いを巡らしていると、Y先生から「このままでいいです。校長先生のデスクの前で簡単にしますから」とすげない返事がきました。

時刻は午後4時、最初に校長室をノックしたのは緑団です。「緑団の衣装を担当する3年1組○○と同じく××です。宜しくお願いします」と元気な挨拶に始まり、「わが緑団の今年の衣装のイメージは、龍をモチーフにした衣装です。~以下省略~」としっかりしたアピールです。トップバッターからいきなり度肝を抜かれた校長は、うまくコメントもできず、「最後に一周回ってみて」と何の意図もない訳の分からないことを生徒にお願いし、「はい、ご苦労さん。よくわかりました」と冷や汗を隠しながら終わりました。ちなみに、「最後に一回転してください」というセリフはこの後も続き、結局、まともな質問は最後までなかったように記憶しています。続いて、入ってきたのは赤団です。朱雀をイメージしたという艶やかな衣装は布地に工夫がされ、見本の生地を張り付けたペーパーを示し、「校長先生、触ってみてください。手触りが違うでしょう。この生地はとても高くて普通だと買えないのですが、先輩の時代から利用しているお店の人が『西高校なら、安くしておくよ』と言ってくださり買うことができました」と泣かせるセリフでまとめました。「青龍・朱雀ときたら、あとは白虎と玄武だな」と衣装とは全く関係のないことを思いながら、白黒のシンプルなデザインが美しい黒団、ピンクだけではなく温かみを出したいとオレンジを多く使った桃団、真っ青な色がひと際鮮やかな青団と続きます。そして、最後はフードをつけるという工夫をしたという黄団のプレゼンで終了となりました。


今年の校長スローガンは『進化する西高校』です。今回ご紹介した衣装のプレゼンは、今年度から生徒会主担となったY先生と生徒会執行部・団幹部の新たな挑戦です。そして、それは「継承と発展」というまさに西高の進化なのです。

体育祭の本番に向けて、西高校は生徒も教員もみんなが心を一つにして素敵な学園生活をエンジョイします。そして、≪小西正晃・特別賞≫の発表は、体育祭当日まで今しばらくお待ちください。


追記:『進化する西高校』には、今年も嬉しい話題が満載です。まず、情報科学科の2年生が全国工業校長会の主宰する高校生海外研修生に選ばれました。全国で22名、近畿から3名の難関を突破した生徒は夏休み中に約1週間のベトナム研修に参加します。また、派遣生徒数が6名と半減した大阪市高等学校海外派遣事業(オーストラリア)にも英語科2年生が合格しました。一方、国際交流事業では甲南大学のご紹介でインドネシア教育大学の学生が本校の英語科授業に参加してくれました。さらに、今年はイギリスからの訪問団を受け入れる年(隔年で実施)で、秋にはイギリスの高校生約12名が西高生の家にホームステイとなります。また、夏のParkdale Secondary College(オーストラリア姉妹校の一つ)への研修メンバーも決まりました。今年は2年生が4人・1年生が11人ですが、その中には流通経済科の1年生も合格しました。以上、今年も西高校の更なる挑戦と進化にご期待ください。

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【気まぐれ校長の独り言:Vol.2】

『刻苦研鑽 向上の』に込められた思い

今から35年ほど前、西高校が西商業高校であったころの話をします。
 第13代校長の【M】は、進路指導主事から、「就職試験にのぞむ生徒が面接試験で『西商業高校ってどんな学校ですか』と質問されたときに学校の校訓があれば答えやすくていいのですが。校長先生、校訓をつくっていただけないでしょうか」というお願いをされました。当時の西商業は多くの生徒が就職を希望し、伝統ある西商で学んだ生徒への企業の信頼は厚く、事務職の求人も多かったと記憶しています。最近では就職を希望する生徒は随分と少なくなりましたが、西高校となった今でも、商業高校時代の信頼と実績のおかげで多くの会社から求人をいただき、就職希望生徒の内定率は100%をキープしています。
 また、当時の学校の雰囲気は、校長【M】が「大阪市立の高等学校の中で最も安定した学校であり、真面目で素直な生徒と優秀で一生懸命な教職員スタッフに恵まれた素晴らしい学校である」と自画自賛する理想の学園であったようです。
 さて、話を校訓にもどしましょう。進路指導主事からの要請を受け、校長【M】は西商業高校にふさわしい言葉を懸命に探します。最終的に彼の心に残ったフレーズは、長年にわたり歌われてきた校歌の≪ちぬの浦曲(うらわ)に鳴りどよむ~刻苦研鑽 向上の 眉宇(びう)に輝く意気を見よ~≫という難解な歌詞でした。そして、校訓として代々受け継がれる「西商業(西高校)スピリット」は、歌い継がれてきた校歌の中の「刻苦研鑽 向上の」という言葉しかないと彼はついに思い至ります。この『刻苦研鑽 向上の』という校訓を定めたとき、校長【M】は「『刻苦研鑽』だけでは不充分で、そこには必ず『向上』が必要だ」と周囲に強調していました。
 ちなみに、西高校に勤務することになった教員たちに配られる『新転任の先生方のための校歌解説(抜粋)』によると、『刻苦研鑽』とは「安易に楽な道を選ばず、あえて苦しい道を歩みながら自分を磨き上げていく」という姿勢を表現したものです。そして『刻苦研鑽』は、時代や社会がどんなに変わろうとも一人一人が目先の楽しみだけではなく、本当に充実した人生を送っていくために必要なものであると解説されています。
 ほどなくして、校訓が決まった西商業高校では学校創立60周年の記念事業として同窓会による『刻苦研鑽』の石碑が建てられることになりました。学校が教育目標とする校訓のオブジェがつくられることを本当に嬉しく感じた校長【M】でしたが、続いて難題が持ち込まれます。それは、同窓生の皆さんから石碑に彫る『刻苦研鑽』の文字を書いてくれという依頼でした。もともと、原稿用の特徴的な丸文字を書く彼には書のたしなみはなく、読みやすいきれいな楷書を書く才能も有りません。何か断る理由がないだろうかと思い悩んだのですが、周囲や家族からの冷やかし半分のススメもあり『刻苦』に挑戦することにしたのです。そして、著名な書家で『書道』の授業を担当していたO先生に猛特訓を受けるという『研鑽』の結果、お世辞にもうまいとは言えないながらも碑文を書き上げました。
 さらに、校訓には『向上』の文字が必要だと考える校長【M】は、『向上』を意味する彫刻の制作を同窓会などにお願いしました。このようにして西商業高校には『刻苦研鑽』の石碑と『向上の像』という二つのオブジェが出来上がったのです。

時は流れ、今年も高校入試の説明会が実施される時期になりました。7月1日(土)には浪速区のPTA協議会が主宰する説明会があり、西高校のブースにはたくさんの中学3年生と保護者が相談に来られました。最後に、その時のある親子との会話を紹介します。
(受験生の母):「じつは、わたしは西高の出身です。あっ、私のころは西商業でした。息子が、高校受験の年になって西高校を受けたいと言ってくれたので、今日はお話を聞きにやってきました」
(気まぐれ校長):「(学校案内の校舎見取り図を示しながら)お母さんの頃は、ここ(現在のグランド)に校舎が建っていて、ここがテニスコートでしたよね。そうそう、今でも『刻苦研鑽』の碑は正門を入ってすぐのところにありますよ。『向上の像』は体育館の前の噴水広場にあります」
(受験生の母):「知っています。先日、息子が学校を見に行きたいといったので西高に行きました。校舎は変わっていましたが、『刻苦研鑽』の碑と『向上の像』を見つけたときには、懐かしくて涙が出てきました。息子が西高に入学してくれたら、本当に嬉しいと思います」
(気まぐれ校長):「そうですか。じつは、『刻苦研鑽』の碑と『向上の像』をつくった時の校長は私の父親なのです。親子で西高に勤めさせてもらっています。お母さんの頃と同じように、今も西高校はとても素敵な高校です。息子さんに頑張ってもらって、是非とも親子で西高に通ってください。お母さんの頃の校長の息子が入学をお待ちしています」

追記:「いろいろな学校に勤めたが、自分の教員生活の中では西商業が最高だった」という言葉を残し、平成29年6月23日に父・正巳は永眠しました。90歳という自分でも思いもしなかった長い幸せな人生を終えた父に代わり、皆さまに最後のメッセージを送ります。
 お世話になり、ありがとうございました。
これからも、息子をよろしくお願いします。
 そして、『刻苦研鑽 向上の』の西高校よ、永遠なれ!

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【気まぐれ校長の独り言:Vol.3】

『授業が命!』の西高校

2学期は先生方にお願いをして、全員の授業を見学しています。今年は、スタートするのが遅かったので、いつもの年よりかなりスローペースです。たぶん先生方にとっても生徒の皆さんにとっても、校長が狭い教室の後ろにいることは迷惑だと思うのですが、不評を顧みずにわがままを言わせていただくと、授業を見学するのはとても楽しいものです。いや、本音を言うと、授業をしなくなって10年以上になる私は、先生方がうらやましく授業がしたくて仕方がないので、せめて教室の雰囲気を味わいに行くのです。
 昔と違って、先生方には授業力を評価されるという試練があり、生徒による授業アンケートや校長の授業見学などが行われます。嬉しいことに、西高校では1学期末と2学期末に行う生徒のアンケート結果と気まぐれ校長の授業評価がほぼ一致します。「この先生の授業は最高だ」と校長が感じた授業は、生徒の評価も高く、先生の授業に対する熱意を生徒たちは敏感に感じ取っていることを、とても頼もしく感じます。ただ、地歴・公民科の先生方には申し訳ないのですが、『世界史』『日本史』『現代社会』の授業見学では「俺だったら、そこはこうするのに」などと思ってしまい、ついつい辛口な評価となります。そんな逆境にもめげることなく、「いや~、つまらん授業をお見せして」と言い訳からスタートする(勿論、本人はそうは思っていないでしょうが)3年学年主任のY雄さんの『日本史』は、独特の語り口がとても面白く、さらに、採用2年目で哲学(倫理)専門のO本先生は、今年も『現代社会』の経済分野の単元で、マクロ経済学が専門の気まぐれ校長に挑戦してきます。
 さて、11月も半ばを過ぎ、今日は1年生の『数学』・2年生の『家庭科』・流通経済科2年と英語科2年の『英語』の授業を見学しました。
 3時間目の授業開始のチャイムから少し遅れて教室に入ると、家庭科のK島先生が内臓脂肪の絵を見せて「痩せているように見えても内臓に脂肪がついている人もいます」と解説しています。「う~ん、この話題はちょっとやばいかも」と自分のお腹をさすりながら思っていると、校長のそんな思いが伝わったのか「それでは、今日の『たんぱく質について』の授業に入ります」となり、授業は導入から展開へと移っていきます。暫くすると、「秋が旬の魚には秋刀魚(様々な魚の名前が漢字で書かれたカードを見せながら)がありますが、おいしいサンマの見分け方を知っていますか」と続きます。生徒の一人が「もう寒くて、秋じゃないよ。昨日はカニを食べたし」と反応すると、「そうですね。今年は、突然、冬がやってきましたね」と応えながら、「鯖や鰹も秋においしいアオ魚です。ここ、試験に出るから覚えておいてくださいね」と去りゆく秋を惜しみながらポイントを整理していきます。「そういえば、彼女は高知県出身でおいしいカツオを食べていたんだろうな」と、気まぐれ校長は皿鉢料理(さわちりょうり)と日本酒を思い浮かべ、一人、授業の進行を無視して脱線を続けていました。

現在、わが国では文科省の指示により様々な教育改革が実行され、また検討が重ねられています。高校現場では「ICT活用による情報活用能力の育成」や「育成すべき資質・能力を踏まえた教科・科目の見直し」、「カリキュラム・マネージメントの普及・促進」がさけばれ、「多面的な評価のための『高等学校基礎学力テスト(仮称)』の実施」、「大学入試センター試験にかわる『大学入学希望者学力評価テスト(仮称)』の導入」などが喫緊の教育課題であると位置づけられます。また、授業に関していえばアクティブ・ラーニングの視点からの授業改善により、主体的・対話的で深い学びの実現が求められています。
 もちろん、『授業が命!』をめざす西高校でも、多くの先生が様々な取り組みにチャレンジしています。全国の国語教育の研究会に参加したO野先生は、「校長先生、研修を受けてきたアクティブ・ラーニングの授業に私も挑戦しようと思います。だから、是非とも見学に来てください」と言ってこられました。また、西高校の多くの授業では、講義形式の授業でも生徒の主体的・対話的な深い学びをめざして先生方が様々な仕掛けを用意して授業を展開しています。そのポイントは、1時間で生徒を如何にこちら側に向かせ、感動させるかが勝負なのです。
 残念ながら、一昔前に導入された「ゆとり教育」は失敗だったといわれています。しかし、その失敗は「ゆとり」の本当の意味を理解しなかった指導者の失敗だと私は思います。高校の授業は、生徒にウケル楽しいものではなく様々な専門分野の魅力を伝えるものなのです。だから、簡単に話し合いをさせるのではなく、ディベートをするならファシリテーターの育成から取り組むべきであり、安直に外部講師を使うのではなく、事前指導・事後指導を含めた自身の授業プランの中でそのメリットを活かす外部講師の導入を図るべきだと思います。そして、何よりも生徒に感動を与えられるように、私たち西高校の授業は進化していきたいと思います。
 かつて、商業高校の『世界史A』の授業で【則天武后】について語っていたとき、普段は歴史の嫌いなある女生徒が「私、【則天武后】に憧れます。彼女のような強い女になる」と宣言しました。ワルノリをした私は、「中間テストで【則天武后】と解答用紙に書くときに、このクラスは【××さん】と書いても正解にしよう」と提案しました(校長としては、どうかと思いますが)。テストでは、【則天武后】や【××さん】という答えはなく、すべての正解が【則天武后(××さん)】と書かれていました。
 「あの時の【則天武后(××さん)】は、今、どこで何をしているのだろう。強い女になったかな」と思いながら、今日も気まぐれ校長の授業見学は続いています。

追記:突然ですが、西高校では来月13日に清水展人さんを講師にお迎えし「多様な個性が輝く社会、LGBTを考える」をテーマとした講演会を開催します。その講演にちなんで、去りゆく「読書の秋」を惜しみながら、東野圭吾さんの『片思い』という本を紹介します。この本は、まだ性同一性障害やLGBTという言葉が一般には認知されていない時期である2001年に、単行本として発刊された作品であり、男女の性差と人間の様々な思いについて考えさせてくれる感動的なミステリー小説です。生徒の皆さんも、是非、ご一読ください。

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【気まぐれ校長の独り言:Vol.4】

『年の瀬の風景(ようこそ西高に)』

12月22日(金)、今年最後の授業が終わりました。
 4月始まりの学期制で動く学校の暦では、2学期の授業が終了しただけで最後の授業というほどのものではないのですが、おしゃれな堀江の街が師走のデコレーションで飾られ、隣の土佐稲荷神社に初詣のための電飾やしめ縄が準備されだすと、「今年も終わりだなぁ」と感傷的になってしまいます。
 この日は、午後からの体験入学に向けて特別に午前中3時間の短縮授業を行いました。午後1時には、体験入学を手伝ってくれるボランティアの各科の生徒、中学生たちの部活動見学に備える西高アスリート、そして、アトリウムの特設ステージで中学生を歓迎するためにパフォーマンスやミニコンサートを行うダンス部、吹奏楽部、音楽部の部員たちがスタンバイOKとなり、後は放送部のアナウンスを待つだけとなりました。
 今年の西高・体験入学は大きく変わりました。「参加してくれた中学生は何を見学したいのだろうか」「中学生と保護者はどんな説明を聞きたいのか」さらには「受験生に少しでも役立つものにしなければ」という思いから、彼らのニーズに応える体験入学へと進化させたのです。第1回に続き、今回のチーフプロデューサーは総務部のS澤先生です。部長を含めても僅か4人の総務部は、すべての先生方に協力を呼び掛けて、中学生と保護者の方々に西高の素晴らしさを理解してもらいたいと全力で企画・運営を行いました。
 スタート30分前、入試概要を説明する教頭先生もすでに6階・会議室にスタンバイしました。第2回大阪市立西高等学校・体験入学がいよいよ開幕です。今回は、まず玄関の自動扉の横に設置したテントで流通経済科の生徒たちが温かいお茶をサービスします。この日は晴天で日差しはあるとはいえ12月の寒さは厳しく、紙コップに入れた西高生の温かい心配りは、やってきた皆さんにはとても好評だったようです。もちろん、流通経済科ですから無料サービスだけでは終わりません。100人以上の来校があるこの機会を利用し、販売実習でいつも人気のあるドーナツを仕入れて販売を行います。「売れ残らないように『合格ドーナツ』っていうネーミングはどうかな」と気まぐれ校長が悪ノリをすると、担当してくれているO山先生に「それは、真剣な思いで来てくれた中学生に失礼でしょう。そんなことをしなくても、マーケティングを勉強している流通経済科ですから、自信のある商品を用意し、販売個数も価格も計算されていますから」と怒られてしまいました。結果は、もちろん完売です。
 今年から西高の体験入学は、来場者が自分の行きたいブースを見つけて自由にセレクトできるようになっています。用意された20のブースは、英語科・流通経済科・情報科学科の学科説明や体験授業がメイン会場として運営されていますが、それ以外にも全学科共通とする入試概要説明、学校紹介DVDの上映、そして個別相談などがあります。さらに今回は、初めて受験対策講座を開きました。厳密にいうと、今までも英語の受験対策講座は行われていましたが、今回は国語と数学も開設したのです。この国語と数学の講座を開くことに決定したのは、体験入学の僅か3日前です。気まぐれ校長の「英語だけでなく、数学や国語も対策講座ができたらいいのに」という無責任で我儘な発言を受けて総務部長が奔走し実現することになったのです。その内容は、入試で合否に比較的大きなウエイトを占める数学の図形問題と国語の作文対策です。日頃から西高の先生方は校長の気まぐれな思い付きにイヤな顔もせずに、前向きに対応してくれます。対策講座では、数学の若い二人の教員が「折角だからプロジェクターを使って、少し研究を進めているICTを利用した授業に挑戦してみます」と意欲を見せてくれました。また、国語の先生は昨年の作文問題を利用して、実際に採点する教員がどのような観点で点数化しているのかをわかり易く解説していました。国語のA先生に、終了後の感想を聞くと「参加者は30人ぐらいでしたが、とても楽しかったです」と嬉しい返事が返ってきました。
 気まぐれ校長が担当する個別相談にも何組かの中学生と保護者が来られました。内容は個人情報にも関わることなので話すことはできませんが、中学校での2学期末の個人面談を終えられ、具体的で真剣な御相談が多くなりました。ある相談者との面談で「西高で一番素晴らしいのは生徒です。次が先生方です。校長はその次かな」とギャグを言ったのですが、受験生と保護者からは「そうですね」と真顔で返されてしまいました。ちょっと複雑な気持ちになった気まぐれ校長でしたが、アンケートの中には「校長先生に丁寧に説明していただき、有難うございました」という感想があり、校長のことを書いてくれたこの唯一のアンケートを支えに、残り2回となった学校説明会【1月20日(土)・2月17日(土)】でも頑張りたいと思います。

西高校は昨年度、多くの受験生に支持され、定員を100人も越える志願者を集めました。去年、願書受付を終えた私たちは、自分たちの教育に自信を持ち、同時に大きな責任を感じながら、「西高の奇跡と呼ぼう」と士気を高めました。そして、現在、私たちは今年の入試では昨年の反動と再編統合のニュースにより大きく志願者を減らしてしまうのではないかと危惧しています。しかし、体験入学に参加した皆さんのアンケートを読ませていただくと、「先輩の生徒の皆さんがとても楽しそうで、私も入学したいと思います」とか、「先生方も面白くて親切な方が多く校舎もおしゃれなので、頑張って合格します」という嬉しい感想がいっぱいです。だから、真面目が素敵な西高生になることをめざしてくれる中学生が一人でも多くなるように、私たちはこれからも自信を持って懸命に西高の魅力を伝えたいと思います。


追記:毎年の事ですが、『今年の一文字漢字(気まぐれバージョン)』を発表させていただきます。今年の漢字は「充」です。この漢字には、「充実」「充分」「充足」などの語句があり、「みちる」「みたす」という意味があります。今年も『真面目が素敵な西高生』は、『価値ある西高生活』を送り、『進化』を続けてくれました。その活躍はまさに充分なものであり、充実した1年間の足跡を校長はとても誇らしく感じています。

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【気まぐれ校長の独り言:Vol.5】

『まわる、まわるよ! 時代はまわる!』

今から約2週間前の3月15日(木)午前11時、事前に通告されていたその時刻がやってきました。今年から人事・給与システムを利用した教員の人事異動の一次内示書が、校長室のPCに配信されたのです。どの学校の校長も、来年度の学校経営に必要な教員を残留させてほしいと祈りながらページを開くのですが、気の弱い気まぐれ校長の心臓は高鳴り、胃はキリキリと痛み、マウスをクリックする手も震えます。そして、先生方の転勤が決まりました。

春は、別れと出会いの時です。特に学校現場の3月は、別れの寂しさと新たな出会いの喜びが複雑に交錯する季節なのです。
 まず、3月1日の卒業式で今年も最初の別れがやってきました。西高校の卒業式は大人の私たちには、少し懐かしい思いを抱かせるような厳粛なムードで行われます。来賓の皆様の何人かは、式の途中で感動の涙を流され、終了後は多くの方から「とっても素敵な良い卒業式でした」とお褒めの言葉をいただきます。それは、真面目が素敵な西高生が、充実した西高生活を送り、人間として大きく成長した姿を見せるからだと思います。会場内は、旅立つ寂しさ、新しい生活への期待、そして西高生活の満足感という卒業生の様々な思いと、保護者はもちろんのこと在校生、教職員を始めとする会場全員の「卒業をみんなで祝いたい」という優しさに満ち溢れています。だから、西高校では適度な緊張感と生徒たちの誠実さが感じられる素晴らしい卒業式が展開されるのです。勿論、気まぐれ校長にとっても卒業式は特別です。クラス総代に卒業証書を渡して握手をする時も、式辞で谷川俊太郎の詩を朗読する時も、この学校の校長で幸せだと思える大切な時間なのです。
 そんな卒業式で、今年はハプニングがありました。それは、卒業証書授与の時です。最初に壇上に上がってきた英語科1組の代表生徒は、名前を呼ばれた時から目を真っ赤にしていて、気まぐれ校長は思わずもらい泣きをしそうになりました。校長が泣いてはシャレにならないと涙をこらえることに必死だった私は、卒業証書を手渡し、生徒に『おめでとう』の握手をした後、何と一礼をするのを忘れてしまったのです。そのことに気が付いたのは英語科2組の生徒に証書を渡したときであり、代表生徒に合わせて一礼をする予定でいた1組の生徒たちは戸惑っただろうと思います。1組のみんな、ごめんなさい。詳しい卒業式の様子は、トップページから写真で是非ともご覧ください。

 

続いて、西高校では、毎年、卒業式の翌日からは新入生を迎える準備が始まります。今年は2日(金)から6日(火)までが志願者受付、12日(月)に入学試験があり、20日(火)午前10時に合格発表となりました。昨年ほどではないにしても、今年も西高校は多くの中学生に支持され、定員の240名に対し約40名近くの定員オーバーとなりました。この志願者数は、公立高校としては非常に多い人数であり、残念ながら不合格になってしまった皆さんには申し訳ない気持ちでいっぱいです。
 合格者はその日の午後に説明会が開催され、教科書や制服・体操服の採寸など早くも西高生になるための準備がスタートしました。説明会では校長の出番はなく、笑顔の教頭先生の挨拶と生指部長、保健主事、事務長などの説明が続きます。様々な行事の中で出番のないのはこの日ぐらいであり、勝手気ままに過ごすことのできるこの説明会が気まぐれ校長は大好きです。今年は例年以上に合格者に男子生徒が多く、真面目そうな生徒も多いと感じました。そして、ここでもハプニングがありました。体育館を出て物品販売に向かう合格者の一人から、「校長先生、合格の記念に一緒に写真を撮ってください」と声をかけられたのです。校長としてはもちろん、長い教員生活の中でも初めてのことでしたが、返事はOKです。今日ばかりは、学内でのスマホ利用も許されます。少し照れながら、その男子生徒と笑顔でツーショットに収まりました。

 

『別れと出会いを繰り返し』、平成29年度も残り僅かとなりました。4月からは新しい『時代』が始まります。来年度も、西区北堀江で展開される多くのドラマと素敵な感動を予感しながら、今年の『独り言』は終了とさせていただきます。今年もお世話になり有難うございました。



追記:冒頭で書いた一次内示と26日(月)の二次内示により、西高を愛した多くの先生方が本校を去られ、新たに優秀な先生方をお迎えすることになりました。生徒たちには「こんなにも素晴らしい先生方と来年度も一緒に仕事がしたいと思う気持ちを抑えて、校長は有能な先生を西高だけに留めておくことは良くないと思うようにします。だから、真面目が素敵な先生方の次の学校での活躍に期待しましょう」と話しました。特に、長きにわたり西高の発展に貢献していただいた、上野先生・音部先生・西先生・木村(泰)先生、そして事務室の原田さん、本当に有難うございました。

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