【気まぐれ校長の独り言:Vol.1】

『特別賞はどの団に!!』

中間考査が終了し、団活動が再開となりました。6月9日(金)の体育祭に向けて今日からは六つの団が優勝をめざして青春を謳歌します。「テストはできたか」なんて野暮は言わず、生徒の皆さんの健闘と充実した団活動に声援を送りたいと思います。

さて、今年も西高校のWebに『気まぐれ校長の独り言』を掲載してもらおうと、様々な出来事を書き始めるのですが、途中で用事が入ったり校長室の電話が鳴ったりと落ち着いた時間が取れず、原稿を中断することが続いていました。「忙しいのではなく、実は継続力がないだけでは」という話もありますが、短いブログはさらに苦手な気まぐれ校長ですので、平成29年度のVol.1も昨年と同じこの時期にずれ込んでしまいました。テスト最終日の放課後に昼食をファミマ(コンビニ)に買いに出た流通経済科3年生の男子生徒から「校長先生!ホームページを更新してくださいね。楽しみにしています」と声をかけてもらい、生徒からの激励はちょっぴり恥ずかしいけれど、とても嬉しかったその時の気持ちを大切にして独り言をつぶやくことにしました。

話は、中間考査1週間前の5月16日の放課後にさかのぼります。昨年の独り言Vol.1の『最後に、ちょっと自慢の話』でも書かせていただきましたが、西高校の体育祭の表彰には≪小西正晃・特別賞≫というものがあります。これは、生徒たちが体育祭の団パフォーマンスで身につける衣装を、事前に気まぐれ校長が採点し、校長のファッションセンスの有無はさておき、一番気に入った衣装を当日に発表するというものです。西高校に赴任した1年目から企画され今年で3回目を迎えますが、生徒会担当のY先生から「今年は衣装を見てもらうだけではなく生徒がプレゼンをしたいといっているのですが」との提案が舞い込みました。普段から生徒と接する機会を虎視眈々と狙っている気まぐれ校長としては、まさに好機到来です。「校長室のテーブルは後ろに寄せたほうがいいのかな。プレゼン会場として校長室はせまいからどこか別の部屋をキープしようか」などと思いを巡らしていると、Y先生から「このままでいいです。校長先生のデスクの前で簡単にしますから」とすげない返事がきました。

時刻は午後4時、最初に校長室をノックしたのは緑団です。「緑団の衣装を担当する3年1組○○と同じく××です。宜しくお願いします」と元気な挨拶に始まり、「わが緑団の今年の衣装のイメージは、龍をモチーフにした衣装です。~以下省略~」としっかりしたアピールです。トップバッターからいきなり度肝を抜かれた校長は、うまくコメントもできず、「最後に一周回ってみて」と何の意図もない訳の分からないことを生徒にお願いし、「はい、ご苦労さん。よくわかりました」と冷や汗を隠しながら終わりました。ちなみに、「最後に一回転してください」というセリフはこの後も続き、結局、まともな質問は最後までなかったように記憶しています。続いて、入ってきたのは赤団です。朱雀をイメージしたという艶やかな衣装は布地に工夫がされ、見本の生地を張り付けたペーパーを示し、「校長先生、触ってみてください。手触りが違うでしょう。この生地はとても高くて普通だと買えないのですが、先輩の時代から利用しているお店の人が『西高校なら、安くしておくよ』と言ってくださり買うことができました」と泣かせるセリフでまとめました。「青龍・朱雀ときたら、あとは白虎と玄武だな」と衣装とは全く関係のないことを思いながら、白黒のシンプルなデザインが美しい黒団、ピンクだけではなく温かみを出したいとオレンジを多く使った桃団、真っ青な色がひと際鮮やかな青団と続きます。そして、最後はフードをつけるという工夫をしたという黄団のプレゼンで終了となりました。


今年の校長スローガンは『進化する西高校』です。今回ご紹介した衣装のプレゼンは、今年度から生徒会主担となったY先生と生徒会執行部・団幹部の新たな挑戦です。そして、それは「継承と発展」というまさに西高の進化なのです。

体育祭の本番に向けて、西高校は生徒も教員もみんなが心を一つにして素敵な学園生活をエンジョイします。そして、≪小西正晃・特別賞≫の発表は、体育祭当日まで今しばらくお待ちください。


追記:『進化する西高校』には、今年も嬉しい話題が満載です。まず、情報科学科の2年生が全国工業校長会の主宰する高校生海外研修生に選ばれました。全国で22名、近畿から3名の難関を突破した生徒は夏休み中に約1週間のベトナム研修に参加します。また、派遣生徒数が6名と半減した大阪市高等学校海外派遣事業(オーストラリア)にも英語科2年生が合格しました。一方、国際交流事業では甲南大学のご紹介でインドネシア教育大学の学生が本校の英語科授業に参加してくれました。さらに、今年はイギリスからの訪問団を受け入れる年(隔年で実施)で、秋にはイギリスの高校生約12名が西高生の家にホームステイとなります。また、夏のParkdale Secondary College(オーストラリア姉妹校の一つ)への研修メンバーも決まりました。今年は2年生が4人・1年生が11人ですが、その中には流通経済科の1年生も合格しました。以上、今年も西高校の更なる挑戦と進化にご期待ください。


【気まぐれ校長の独り言:Vol.2】

『刻苦研鑽 向上の』に込められた思い

今から35年ほど前、西高校が西商業高校であったころの話をします。
 第13代校長の【M】は、進路指導主事から、「就職試験にのぞむ生徒が面接試験で『西商業高校ってどんな学校ですか』と質問されたときに学校の校訓があれば答えやすくていいのですが。校長先生、校訓をつくっていただけないでしょうか」というお願いをされました。当時の西商業は多くの生徒が就職を希望し、伝統ある西商で学んだ生徒への企業の信頼は厚く、事務職の求人も多かったと記憶しています。最近では就職を希望する生徒は随分と少なくなりましたが、西高校となった今でも、商業高校時代の信頼と実績のおかげで多くの会社から求人をいただき、就職希望生徒の内定率は100%をキープしています。
 また、当時の学校の雰囲気は、校長【M】が「大阪市立の高等学校の中で最も安定した学校であり、真面目で素直な生徒と優秀で一生懸命な教職員スタッフに恵まれた素晴らしい学校である」と自画自賛する理想の学園であったようです。
 さて、話を校訓にもどしましょう。進路指導主事からの要請を受け、校長【M】は西商業高校にふさわしい言葉を懸命に探します。最終的に彼の心に残ったフレーズは、長年にわたり歌われてきた校歌の≪ちぬの浦曲(うらわ)に鳴りどよむ~刻苦研鑽 向上の 眉宇(びう)に輝く意気を見よ~≫という難解な歌詞でした。そして、校訓として代々受け継がれる「西商業(西高校)スピリット」は、歌い継がれてきた校歌の中の「刻苦研鑽 向上の」という言葉しかないと彼はついに思い至ります。この『刻苦研鑽 向上の』という校訓を定めたとき、校長【M】は「『刻苦研鑽』だけでは不充分で、そこには必ず『向上』が必要だ」と周囲に強調していました。
 ちなみに、西高校に勤務することになった教員たちに配られる『新転任の先生方のための校歌解説(抜粋)』によると、『刻苦研鑽』とは「安易に楽な道を選ばず、あえて苦しい道を歩みながら自分を磨き上げていく」という姿勢を表現したものです。そして『刻苦研鑽』は、時代や社会がどんなに変わろうとも一人一人が目先の楽しみだけではなく、本当に充実した人生を送っていくために必要なものであると解説されています。
 ほどなくして、校訓が決まった西商業高校では学校創立60周年の記念事業として同窓会による『刻苦研鑽』の石碑が建てられることになりました。学校が教育目標とする校訓のオブジェがつくられることを本当に嬉しく感じた校長【M】でしたが、続いて難題が持ち込まれます。それは、同窓生の皆さんから石碑に彫る『刻苦研鑽』の文字を書いてくれという依頼でした。もともと、原稿用の特徴的な丸文字を書く彼には書のたしなみはなく、読みやすいきれいな楷書を書く才能も有りません。何か断る理由がないだろうかと思い悩んだのですが、周囲や家族からの冷やかし半分のススメもあり『刻苦』に挑戦することにしたのです。そして、著名な書家で『書道』の授業を担当していたO先生に猛特訓を受けるという『研鑽』の結果、お世辞にもうまいとは言えないながらも碑文を書き上げました。
 さらに、校訓には『向上』の文字が必要だと考える校長【M】は、『向上』を意味する彫刻の制作を同窓会などにお願いしました。このようにして西商業高校には『刻苦研鑽』の石碑と『向上の像』という二つのオブジェが出来上がったのです。

時は流れ、今年も高校入試の説明会が実施される時期になりました。7月1日(土)には浪速区のPTA協議会が主宰する説明会があり、西高校のブースにはたくさんの中学3年生と保護者が相談に来られました。最後に、その時のある親子との会話を紹介します。
(受験生の母):「じつは、わたしは西高の出身です。あっ、私のころは西商業でした。息子が、高校受験の年になって西高校を受けたいと言ってくれたので、今日はお話を聞きにやってきました」
(気まぐれ校長):「(学校案内の校舎見取り図を示しながら)お母さんの頃は、ここ(現在のグランド)に校舎が建っていて、ここがテニスコートでしたよね。そうそう、今でも『刻苦研鑽』の碑は正門を入ってすぐのところにありますよ。『向上の像』は体育館の前の噴水広場にあります」
(受験生の母):「知っています。先日、息子が学校を見に行きたいといったので西高に行きました。校舎は変わっていましたが、『刻苦研鑽』の碑と『向上の像』を見つけたときには、懐かしくて涙が出てきました。息子が西高に入学してくれたら、本当に嬉しいと思います」
(気まぐれ校長):「そうですか。じつは、『刻苦研鑽』の碑と『向上の像』をつくった時の校長は私の父親なのです。親子で西高に勤めさせてもらっています。お母さんの頃と同じように、今も西高校はとても素敵な高校です。息子さんに頑張ってもらって、是非とも親子で西高に通ってください。お母さんの頃の校長の息子が入学をお待ちしています」

追記:「いろいろな学校に勤めたが、自分の教員生活の中では西商業が最高だった」という言葉を残し、平成29年6月23日に父・正巳は永眠しました。90歳という自分でも思いもしなかった長い幸せな人生を終えた父に代わり、皆さまに最後のメッセージを送ります。
 お世話になり、ありがとうございました。
これからも、息子をよろしくお願いします。
 そして、『刻苦研鑽 向上の』の西高校よ、永遠なれ!

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