【気まぐれ校長の独り言:Vol.1】

『体育祭の風景』

表彰式が終わり、歓喜の渦が静まりかけた頃、6人の団長が体育祭を企画・運営してきた生徒会長に感謝の熱いエールを送った。そのエールがきっかけとなり、720名の全校生徒と西高校の全教職員、そして来賓や保護者の本部テントからも、大きな拍手が起こった。それまでは気丈に振舞っていた生徒会長であったが、みんなの笑顔と拍手に包まれ、彼女は友だちの胸に顔をうずめて号泣した。そして、平成28年度の西高校・体育祭は、今年も大きな感動を私達に残して閉幕したのである。

去年、西高校にやってきて、『真面目が素敵な西高生(昨年度の校長スローガン)』の様子を伝えたいとWebの片隅に【気まぐれ校長の独り言】を載せました。年度末には、「来年度も気まぐれ校長が『独り言』をつぶやきたくなるような、素敵な西高校でありますように・・・」と書きながら、忙しいことを言い訳に今日を迎えてしまいました。勿論、西高校は今年もとても素敵な高校であり、生徒たちは毎日の高校生活を充実させ、『価値ある西高生活(今年の校長スローガン)』を送っています。気まぐれ校長の怠慢でWeb更新が遅れていた『独り言』ですが、今年度の第1号は冒頭にご紹介した『体育祭の風景』をお伝えします。

3学年がひとつの団を形成し、体育祭や文化祭といった学校行事を行ういわゆる団活動は、以前に比べるとずいぶん多くの学校で行われています。西高校でも、4月当初に結団式という派手なイベントが行われ(詳しくはトップページから写真等でご確認ください)、団長や団カラーが発表されました。そして、今年最初の大きなイベントである体育祭が晴天の6月10日(金)に行われ、西高の生徒たちは「価値ある特別な一日」を送りました。
 他校でも行われる応援合戦を、西高校では団パフォーマンス(以下、生徒たちの呼び名である「団パフォ」と記載)といいます。昼食後に行われるこの団パフォは、中間テスト後の短い練習期間であるにもかかわらず、各団が様々な趣向を凝らした見ごたえのある演技を披露し、そのクオリティーは他校に負けないものです。その内容以上に気まぐれ校長が誇らしく思うことは、西高校の団パフォは全員参加であるということ、そして生徒は自分たちの演技だけではなく他の団(西高には、黒・緑・赤・桃・青・黄の6色の団があります)のパフォーマンスにも大きな声援を送るということです。トップリーダーである団長は、120人の団員を相手に多くの工夫と気配りをして団を組織します。そして、お互いの苦労がわかるからこそ、各団は自分たちだけで盛り上がるのではなく、他の団の団パフォを応援しライバルの演技に惜しみない拍手を送るのでしょう。これこそが、西高・団パフォの素晴らしさだと思います。
 競技についても、西高生は素敵です。昨今は、組立てによる事故がクローズアップされ、体育祭での組体操の禁止という通達がなされていますが、西高・体育祭では事故の多い男子の棒倒しや女子の棒引きが今も行われています。生徒たちは、この危険な競技に対しても決してふざけることなく、真剣に取り組みます。そして、興奮の中でも相手方の事を考えて行動することができるクレバーな生徒たちは、怪我をしないギリギリのところで競い合うのです。だから、今年転勤してきた教頭先生の心配そうな様子に動じることなく、体育科主任の先生は涼しい顔で両軍の作戦を気まぐれ校長に解説し楽しませてくれました。
 このように、団パフォだけでなく競技でも見ている私たちを笑顔にしてくれた体育祭は、開会式で「真面目が素敵な価値ある一日を」と伝えた校長メッセージの通り、今年も思い出に残る素晴らしいものとなりました。私の稚拙な文章では、なかなか臨場感あふれるレポートとはなりませんので、是非ともトップページから、その時の様子をご覧ください。

さて、閉会式で号泣した生徒会長は、体育祭でその任務を終えました。翌週の月曜日にはスタッフを集めて総括会議を行い、次年度への申し送り事項を整理してくれました。生徒会は、火曜日に後期役員選挙の公示をアトリウムに掲示し、今月末には新しい生徒会体制が決定します。1年生の時から生徒会の一員として西高校をリードしてきた彼女は、全校生徒の拍手を勲章に、次は大学進学の準備に頑張るようです。今年も、気まぐれ校長が『独り言』をつぶやきたくなるような、素敵な西高校がそこにありました。

『最後に、ちょっと自慢の話』
 体育祭の表彰には、団パフォ「衣装の部」の表彰があります。去年から新たに設けられたこの賞は、各団が団パフォで使用する衣装の中で最も優れたものに与えられる特別賞であり、昨年の生徒会がこの賞の名前を「小西正晃 特別賞」としてくれました。校長の名前を付けた特別賞がある学校って、西高校だけですよね。表彰式で自分の名前の付いた賞状を披露することは少し照れくさかったのですが、多くの賞状にバランスのとりにくい「小西」の字をひたすら書き続けてくれた書道のできる英語の先生と、その表彰に喜びの涙を流してくれた緑団の生徒たちに感謝します。気まぐれ校長は、本当に幸せな校長先生ですね。生徒会の皆さん、そして全校生徒の皆さん、ありがとう!


【気まぐれ校長の独り言:Vol.2】

『オーストラリアに行ってきました!』

ビクトリア州ポートランドにあるベイビューカレッジでは、7月22日に “Japan Day” という特別な一日が用意されていました。この日、ベイビューカレッジと大阪市立西高等学校は、両校の校長が協定書にサインをして姉妹校という新たな関係をスタートさせたのです。

今回の『気まぐれ校長の独り言』は、オーストラリア研修旅行の様子をお伝えしたいと思います。
 西高校にはかつて2校の姉妹校がありました。ひとつは現在も交流が続いているメルボルン近郊のパークデール高校であり、もうひとつはニュージーランドの高校です。このうち、ニュージーランドの高校とは残念ながら交流が中断し、毎年、海外の高校に研修旅行に出かけ、逆に海外からの高校生を迎えるためには、あと一校の姉妹校が必要でした。私たちは、英語圏の高校で、時差が1時間であり、大阪市の姉妹都市でもあるメルボルンに姉妹校を増やしたいと考えていましたが、最近は中国語の授業を導入し、日本よりも中国との提携を望む学校が多くなり、姉妹校の決定は想像以上に難航しました。そして、今年の夏、西高校はついに、元修道女の養成機関であり現在も隣に素晴らしい教会が建つレンガ造りの素敵な外観のベイビューカレッジと姉妹校提携を結ぶことに成功したのです。
 ベイビューカレッジは、メルボルン市内から車で5時間ほどのビクトリア州ポートランドにあります。イギリス風の建物と高層ビルが調和したお洒落で綺麗なメルボルンの町並みとは趣が大きく異なり、ベイビュー校は、イルカや鯨を見ることができる港と当たり前のようにカンガルーやワラビーの親子が立っている牧場、そしてユーカリの木に野生のコアラが抱きついている(野生のコアラを見ることができたのは、気まぐれ校長だけですが)、「これぞ、オーストラリア!」という大自然に恵まれた場所にありました。
 そんな素晴らしい環境のもとで、異文化理解と英語力の向上をめざす15名の西高生たちは、様々な人の支えにより充実した毎日を送りました。
 まず、バディー(生活を共にする相手校の生徒)は本当に純粋で優しい生徒ばかりであり、普段の生活はもとより、21日の動物園へのバスツアーでも常に一緒に行動するように気遣ってくれました。また、今回の提携に最もご尽力いただいた日本語を教える先生は、本市高等学校の出身であり、高校時代にオーストラリアへの研修旅行を経験したことがきっかけとなって現在の自分があるとおっしゃっていました。生徒の一人は、この話に反応し「どうしたら、先生のようになれるのですか」と大いに刺激を受けたようです。
 もちろん、私たちも頑張りました。冒頭で紹介した “Japan Day” のオープニングでは、『西高等学校』・『刻苦研鑽』と刺繍の入った赤いハッピ(刺繍は同窓会長にお願いしました)を着てパフォーマンスを行いました。出発前にダンス部から手ほどきを受け、当日の朝も少し早めに登校して練習した生徒のダンスはキレキレで、大きな拍手をもらいました。その後は 2~3人 のグループに分かれて『体育』(バスケットのようなドッジボールのようなゲームをしました)・『空手』(先生は黒帯の有段者、西高生にも空手の達人がいました)・『日本語』(小さなおにぎりを一緒に作りました)・『美術』(アボリジニのデザインなどを学びました)などの授業に参加しました。西高校のDragon snake先生(漢字を英訳するとこうなります。ちなみに私はSmall westチッチャイニシ?)は、折り紙の講義を担当し、6時間連続でオーストラリアの高校生に「鶴」の折り方を指導しました。
 また、ホームステイ家族の皆さんにも、とても親切にしていただきました。22日のお別れパーティーや24日の学校を出発する時には、目を真っ赤にして「さよなら」を告げる生徒たちを強くハグし、もらい泣きをしてくださるお母さんもおられました。ちなみに、気まぐれ校長も今回はホームステイをさせていただきました。「ごめんなさい。私は、余り英語が得意ではありませんので、ご迷惑をおかけします」と最初に言うと(勿論、英語で)、「心配しないでも大丈夫ですよ。私たちも日本語はしゃべれませんから(残念!)、気にしないで!」という返事が返ってきました。そして、ご主人の年齢が私よりひとつ上であることがわかり「マイブラザー」と呼ぶようになった瞬間からは、オッサン二人は一気に親しくなりました。ワインクラブの会長でもある彼は、毎晩のようにオーストラリアワインの魅力を私に伝授してくれ、最終日には特別なシェフを招いて行う『ワインと料理の集い』に招待してくれました。生徒たちと同じように出発前はホームステイをとても心配していたのですが、「英語科の校長先生なのだから、ホームステイでしょ!」というDragon snake先生のご無体な激励を受け、結果的にはホテルでは経験することのできない本当に素敵な思い出を作ることができました。お世話になった恩返しは、来年、ベイビューカレッジが来日したときに頑張ろうと強く決意しています。
 お話したいことはこれ以外にも山ほどあるのですが、それは正式なWeb報告や生徒の報告書に委ねます。最後に、関西空港に帰国した時に辰巳(Dragon snake)先生が話した「いろいろあったけど、楽しかったね~」という言葉を紹介し、今回の『独り言』は終わります。

追記:忘れていましたが、オーストラリアへはパークデール高校に1ヶ月間の短期留学を行っている生徒も同行しました。メルボルンで別れた二人は、今もオーストラリアで頑張っています。8月末に帰国予定の二人からも「楽しかった!」という報告を待ちたいと思います。


【気まぐれ校長の独り言:Vol.3】

『秋雨の候、気まぐれ校長は・・・』

夕食にキノコたっぷりにクリのはいった味噌汁が出され、デザートには先週の日曜日に奈良県桜井市にある大神神社近くで買ったナシがならぶ『秋』になりました。パワースポットとしても、最近、とても人気のある大神神社のご神体である三輪山の麓の参道を歩きながら、家人が「最近、『秋』という季節のよさがわかるようになった」と少し自慢げにつぶやきました。そういえば、気まぐれ校長も40代までは新しい年度が始まり、フレッシュな気持ちにさせられる『春』が最も好きな季節だったのですが、近頃ではしっとりと落ち着いたムードの『秋』のほうが気持ちの上でもしっくりとくる様な気がします。さすがに「それは年を取ったからだよ」ともいえず、「雨が多くてまだまだ蒸し暑い毎日なのに、曼珠沙華(彼岸花)が田んぼの畦に綺麗に咲いているね」とチョット大人のムードでこたえておきました。

さて、残暑が続く今年の秋ですが、夕暮れが確実に早くなり、秋の夜長を楽しむ時期となり、各高等学校では文化祭の季節がきました。西高校でも、『創西祭(SOU-SEI-SAI)』と名前をつけた文化祭が10月2日(日)・3日(月)に開催されます。昨年度までの西高文化祭は、気まぐれ校長も含めて多くの先生方の意見で生徒の安全性に配慮し、一般公開を見送ってきました。しかし、今年は多くの人に西高校の『創西祭』を見てもらいたいと生徒会が頑張って綿密なプランを提示し、他の中学・高校の生徒会執行部および西高に興味・関心のある中学生に入場券を配布しました。これまでも「文化祭を見せてほしい」という受験生たちの希望は多く、第1回学校説明会(9/10開催)でも入場券の配布を行いました。勿論、開催日も保護者や中学生・高校生が来校しやすい日曜日に変更しています。まだまだ、全面的な公開とはなりませんが、西高生徒会執行部の今年の挑戦が無事に成功し、文化祭に新たな1ページを加えてくれることを大いに期待しています。ちなみに、2日目の月曜日は舞台演技、コーラス大会、部活動発表などで、例年通り、西高生だけで大いに盛り上がる予定です。二日間にわたる『創西祭』の様子は、近々に公開するWebか、学校紹介DVDでお楽しみください。

お祭りが大好きな気まぐれ校長ですが、文化祭準備日である今日(9月30日)は、校長になったことを少し後悔する寂しい日です。朝から、担任の先生方はもとより、すべての先生方が生徒とともに笑顔で準備に取り組んでいます。アトリウムはミラーボールやスポットライトなどの電飾で飾られ、体育館ではコーラス大会の予選や舞台のリハーサルが行われています。また、本館ではクラスや部活動の展示の準備で全校生徒が走り回っています。PTAの皆さんも来校され、バザー商品に値札を付けたり、フランクフルトと玉子せんべいの模擬店(店の名前は「ママの店」)の準備に頑張っておられます。皆さん、まるで高校生のような乙女(?)に戻った素敵な笑顔で、とっても楽しそうです。学校全体が活気に溢れ、生徒たちが『価値ある西高生活(今年の校長スローガン)』を謳歌しているこの日、一人だけ蚊帳の外に置かれているのが誰よりもお祭りを愛している気まぐれ校長なのです。職員室をのぞいてもそこに先生方の姿はなく、廊下を歩いても作業が佳境に入っており、声もかけられません。暇そうに廊下を歩く校長に、笑顔が素敵なダンスの先生が「コーラスの予選を通過しました」と報告してくれましたが、忙しそうにすぐに去って行かれます。また、いつも優しく相手をしてくれる事務室に行っても、文化祭に向けて新しい垂れ幕(『祝 文部科学大臣賞受賞』の垂れ幕)をおろし、玄関先の学校案内ボードをキレイに整備し、突然に調子が悪くなった放送設備の修理に来校した業者対応に奔走しています。そして、普段は強面の教頭先生も何故かジャージに着替えて張り切っています。
 誰にも相手にしてもらえない孤独な気まぐれ校長は、久しぶりに『独り言』を書くしかなかったのですが、いつものタッチではなく、ガラにもなく「センチメンタルな秋を感じます」なんてつぶやいています。

大学のAO入試や就職試験が佳境に入っているこの時期に文化祭を開催することについては、様々な意見があります。「うちは進学校だから、文化祭はできるだけ早い時期にして取り組みもほどほどにし勉強させています」とおっしゃる校長先生も中にはおられます。しかし、気まぐれ校長の思いは少し違います。進路希望を実現することは確かに大切な学校の使命ですが、そのために文化祭などの行事をおろそかにすることは、長い目で見た生徒の人生の中で大切なものをなくしてしまうことだと思うのです。最近、注目される『行動経済学』の或る書物には、高校時代に学校行事に積極的に取り組んだ人と適当に行事を行った人を生涯所得という側面で比較すると、行事に意欲的に取り組んだ人の方が生涯所得は高いという研究成果が載せられていました。
 「価値ある西高生活」をめざす西高生の『創西祭』が、彼らの人間力向上に大いに貢献していると信じて、文化祭前日のつぶやきを閉じたいと思います。文化祭を一部公開にした結果は、また別の機会に報告します。

追記:『独り言』を書いている最中に、関西学院大学国際学部の合格報告が届きました。今年も3年生は文化祭に全力投球し、素晴らしい進路結果を気まぐれ校長に伝えてくれています。


【気まぐれ校長の独り言:Vol.4】

『終業式の風景~もう一つのABC理論~』

冬将軍の到来とともに、学校横のイチョウの大樹の葉もほぼ散ってしまいました。毎朝、早くから校舎の周りを清掃してくれている二人の管理作業員さんに、「掃除が大変ですね」と気まぐれ校長が声をかけると、「いやいや、大丈夫です。これぐらいの落ち葉には負けません」と笑顔で答えてくれました。
 高層マンションが立ち並び、おしゃれなカフェやブティック、インテリアのお店も多い西区堀江の街ですが、学校周辺は隣接する土佐稲荷神社や公園のお陰で四季折々の変化を感じることのできる、まさに都会のオアシスといった風情です。師走を迎えたこの時期は、赤や黄色に色づいた落葉が季節を感じさせ、クリスマスが終わる頃から土佐稲荷は新年を迎える準備に忙しくなるのでしょうか。

昨年に比べると随分とペースダウンしてしまった『独り言』ですが、2学期中に最低2回は書きたいと思い、2学期最後の終業式を終えてやっとパソコンに向き合っています。今月の西高校は、師走を感じさせる様々な行事や素敵なイベントが繰り広げられました。その代表的なもののひとつに、以前にもつぶやいたことのある(昨年の『独り言Vol.6』)西高アトリウムでのミニライブがあります。勿論、この時期はXmasコンサートであり、昼休みに音楽部、ダンス部、吹奏楽部が連日素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。いつもながら、季節を感じさせてくれる素敵なイベントが行われる西高校ですが、そんな2学期も、本日、終業式を迎えたのです。
 西高の終業式は、校長講話に始まり、校歌斉唱、表彰式と続きます。中でも、今日は表彰がとても多く、その内容も多彩です。文部科学大臣賞もあれば、毎日新聞社賞、大阪府知事賞、大阪市長賞があり、運動部では大阪府高等学校体育連盟、大阪市高等学校体育連盟等々の賞状が続きます。また、ハングルの大会での表彰や英語スピーチコンテストもあります。最後はモトクロスの年間表彰を披露し、表彰生徒50人以上の20分を超える表彰は終わりました。
 気まぐれ校長にとって始業式や終業式で生徒の皆さんに話すことは、とても楽しみなことであり大切な役割だと思っています。西高校に赴任して最初に驚かされたことは、講話が終わると西高生は拍手を送ってくれるということです。たぶん、どの高校の校長もこんな経験はないのではないでしょうか(少し自慢でもありますが、一方で、つまらない話はできないというプレッシャーも大きいのです)。今回は二つのABC理論の話をしようと用意していました。しかし、職員室では、今日は表彰式が長いので講話は短めにという先生方の無言・有言の圧力があり、悩んだ末に大阪出身で経営コンサルタントをされている小宮一慶さんのABC理論の話(短い方です)だけを話すことにしました。おかげさまで校長講話は3分間で終わり、生徒・教職員から大きな拍手を送られました(いつもより拍手が大きかったのは、話が短かったからではないと信じています)。
 気まぐれ校長としては少し消化不良気味な講話になって悔しいので、ご迷惑は承知の上でお蔵入りした2学期終業式の講話原稿の一部を掲載させていただきます。

では、アメリカの心理学者アルバート・エリス(Albert Ellis)が提唱した心理療法の中で用いられた理論の話をします。
 2学期の始業式で私は皆さんに『自分の感受性ぐらい』という詩を紹介しました。「自分の感受性くらい自分で守れ、ばかものよ」で終わる茨木のり子さんのこの詩は、怒りの感情コントロールができない人が増えたといわれる現代社会にあって、自分の感受性を守れと結んでいます。そんな現代人に心理療法をするエリスは、次のような理論を紹介しました。
 ある出来事(A:Activating event)が起きた時に、自分がどう感じるか(B:Brief(考え方・信念))によって、もたらされる結果(C:Consequence)が異なってくるという心理的な考え方です。例えば、「先生に叱られた」という出来事が起きたときに、「自分がどう感じるか」により結果が異なってきます。「俺、間違ってね~し。ふざけんなよ」と考えたときには、結果として怒り、イライラ、ストレスだけが残ります。逆に、「そういう考え方もあるのか。まだまだ勉強不足だな」と考えると、反省、学び、尊敬につながります。結果が、攻撃的になってしまうのは、「俺は間違ってない」というような勝手な決めつけや思い込みによるもので、これを論理的かつ筋の通った考え方に変えていく治療法がエリスの唱えた論理療法というものです。
 普段、イライラして攻撃的になってしまっている人は、感じ方を変える努力をして下さい。それこそが、怒りの感情をうまくコントロールできる方法なのです。校長として、西高校の生徒の皆さんは、ABC理論がちゃんとできている人が多いと感じています。だからこそ、価値ある西高生活が送れているのでしょう。これからも、感受性を守れる、素敵な西高生でいてほしいと思います。
 以上、2学期終業式の式辞とします。良いお年を!!

原稿通りに話せたことはめったにないのですが、生徒の皆さんに伝えたかったもう一つのABC理論を紹介して今回のつぶやきを終了とします。来年も西高校をよろしくお願いします。

追記:毎年、今年の一文字漢字(気まぐれバージョン)を発表していますので追記させていただきます。今年の漢字は「優」です。この漢字には、「優位」や「優秀」など「優れた(すぐれた)」という意味があり、一方で「優柔不断」などのネイティブな熟語もあります。しかし、私が今年の漢字に「優」を選んだのは、今年1年間に西高生の様々な「優しさ(やさしさ)」に触れることができたからです。学校の外は、ある意味、殺伐とした現代社会ですが、西高に一歩足を踏み入れると、そこは優しさにあふれた理想の空間が広がります。それは、生徒や先生方の優しさに満ちた世界が広がっているからであり、今年の漢字はそんな西高校を象徴する「優」に決めました。これからも、「真面目が素敵で心優しい西高生」とともに「価値ある西高生活」を謳歌したいと思います(久しぶりの独り言は、追記も真面目な気まぐれ校長でした)。


【気まぐれ校長の独り言:Vol.5】

『三月三十一日の独り言!』

平成28年度の『独り言』は第5号を最後にしようと固く決意していたのですが、3学期は高校入試や卒業式、先生方の転勤などがあり、つぶやくことを忘れていました。気がつけば今日は3月31日(金)であり、『気まぐれ校長の独り言』は第4号でストップしたままになっています。生まれながらの真面目で几帳面なA型気質がそんな状況を受け入れられず、「今日書けば、自分で決めた年間5回のノルマが達成できる」と思い、午後からの教頭先生の離・着任式を前にして校長室のPCと格闘することにしました。もちろん、この原稿は4月以降にインターネットにアップされるわけなので、「本当に年度内に書いたの」といわれれば「そこはお互いの信頼関係で」と答えるしかないのですが、何はともあれ今年度最後の気まぐれ校長のつぶやきにお付き合いください。

平成28年度は世界でも大きな動きがありました。イギリスでは国民投票でEUからの離脱が決まり、アメリカでは保護主義的な発言を続けるトランプ氏が大統領に就任しました。世界的にナショナリズムの動きが広がり、気まぐれ校長もこのままでは世界情勢が不安定になるのではと危惧しています。昔、『政治・経済』を教えていた公民科の教員としては、資本主義経済は世界的規模で展開しており、貿易を制限することにより経済はかえって疲弊すると思われます。そして、その影響はトランプ氏を支持する多くの経済的弱者に向かうと思うのですが。

世界経済の動向を気にする気まぐれ校長ですが、2月には大阪市高等学校教育審議会が普通科高校再編についての答申を出し、西高校にも大きな変革が迫られる予感がします。「いつまでも気まぐれ校長なんてお気楽なことは言ってはいられないぞ」という意地悪な声も聞こえてきそうですが、素直な生徒と熱心な先生方のお陰で、校長は今年度も充実した楽しい毎日を送ることができました。体育祭・文化祭・送別会などの行事に代表される西高校の素敵な様子は、トップページから各ページにアクセスして是非ともご一読ください。

さて、西高2年目の今年度は、生徒の能力をさらに伸ばすために『価値ある西高生活』という言葉をスローガンに掲げました。この言葉は毎日の学校生活を意味のある大切なものにしてほしいという思いを込めたものであり、同時に、総勢73名の全教職員へのメッセージでもありました。その結果は『価値ある西高生活』というスローガンに相応しい1年間であり、生徒と教職員の皆さんが残した足跡は素晴らしいものとなりました。今年も生徒指導部長が全校生徒と面談を行うなど対話による丁寧な生徒指導により、校長室で特別指導を行うこともほとんどありませんでした。また、クラスによっては6割~7割の生徒が年間皆勤賞・年間精勤賞で表彰されました。

このような安定した学校の評価は高く、今年度は生徒募集でも大きな実績を残すことができました。3月の一般入試で西高を志願してくれた中学3年生は募集定員の1.45倍となり、100名以上の志願者が残念ながら不合格となってしまいました。公立高校の入試としては少し多すぎた不合格者に心を痛めながらも、西高校にこれだけのニーズがあることをアピールできたことは、生徒・教職員はもとより多くの関係者の自信と誇りとなりました。

最後に、夜桜で有名な土佐稲荷の桜は今日の冷たい雨で少し開花を鈍らせていますが、明日(4月1日)には西高校吹奏楽部恒例の「お花見コンサート」が開催されます。5年間タクトを振った顧問の西岡先生は年度末人事で異動となり、新たなコンダクターとして奥野先生が指揮をとられます。また、男子バスケットボール部を率いた理科の河野先生も異動となり、さらに生徒会イベントをすべてプロデュースした情報科学科の藤澤先生は次の学校でクラス担任をされるようです。その他、多くの先生が西高を去られますが、西高校を愛した先生方の思いを大切にして、私たちは新年度に向かっていきたいと思います。

平成29年度、校長スローガンは『進化する西高校』に決めました。

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